傷だらけのまま
昨年観た映画、ミッドナイトスワンが日本アカデミー賞最優秀作品賞になったようだ。
映画を見たのはもう4ヶ月も前なのに、すぐ映像が想いだされる程、こころの奥のすみっこまで届いた物語。
演技も音楽もストーリーも、ひとつひとつが繊細で苦しくて苦くて、愛おしい。
だいすきな作品。
それと、助演男優賞で、「罪の声」の宇野祥平さんも受賞していたようで、なんだか嬉しい。知らない背景まで見せるような演技だった。映像の中の総一郎をそぉっと抱きしめてあげたかった。役者というのは・・・すごい。
現実世界は、ひとと人の想いが交錯して、みんながむしゃらで、妬んだり恨んだり、むじゃきにげらげら笑ったりしながら、いのちを過ごしていく。
思うように事が進むことは少なく、自分の思うように人は動かず、願い事は必ずかなうわけではない。
それでもただひたすらに生きている。傷だらけのまま、生きている姿が、なぜ美しく見えるんだろう。なぜ胸を打つんだろう。
にんげんって弱いな。でもにんげんってかわいいな
ひとつひとつと毎日を重ねていくと、そう想う瞬間が増えてきた