風の停留所

母の看取りをきっかけに意識や生と死について探究しています。内側に湧いたものを表現する練習中です。

あなたの肉体がここにはなくっても

あなたは わたしのなかに居る

どれだけ時間が経っていっても

ずっとわたしのなかに居る

 

炊きたてご飯のあったかさも、

高い所で見下ろした時の足の震えも、

新しく出た本のワクワク感も、

落ち込んだ時の涙も、

ぜんぶいっしょに味わっている

 

あなたはわたしのなかに居る

ぜんぶ ふたりぶんの体験だ

嬉しいも哀しいも、わたしの身体がある今の間だけ

いっしょに味わおう

 

からだはとうになくなった

どこを探しても もういない

だけど 

あなたはわたしのなかに居る

 

あなたとわたしが一緒に過ごした時間

わたしがあなたを想う時間

あなたがわたしを想う時間

それらがいまのわたしを創っている

 

だから

わたしはわたしをもう傷つけない と決めた

あなたを愛するように じぶんをたいせつにしようと誓った

 

 

あなたはいろんなひとのなかに居る

あなたと人生を共にしたパートナー

あなたを育てた親

あなたが育てたこども

ちょっぴり悩んでいた親戚たち

ともにすごした親しいひとたち

もしかしたら散歩中にすれ違っていた名を知らぬあのひとのなかにも

 

たくさんのひとたちのなかで、

あなたが想いを巡らせてきたひとたちのなかで

ちいさなあなたのつぶが

きらりとひかる

 

 

あなたは生きているよ

ずっと生きているよ

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