風の停留所

母の看取りをきっかけに意識や生と死について探究しています。内側に湧いたものを表現する練習中です。

赦して

母へ

 

そちらはどうですか

こちらは秋が駆け足で過ぎていき、あっという間に冬になりました。

朝晩が冷えて霜が降りるとの予報です。

天国も暑かったり、寒かったりするのでしょうか?

天国ってのんびりしたところのイメージしかないけど、そうなのかなぁ

 

そんなところにいたら、動いてないと落ち着かないハハみたいなひとは居心地がわるいじゃない?

勝手に心配しています。

 

 

1年経って、日常を必死に過ごしていると、

あんなに泣いて苦しんだのに

ひとって忘れていくみたいです。

1年前はこの哀しみは永遠だと疑わなかったけれど、

時間が経つことでカタチはどんどん変わるんだね

 

 

望んでも、望まなくても、ひとは慣れていく生き物のようです

あなたは気づいていましたか?

 

忘れないよ!、と叫ぶのは

いつか忘れてしまうことをしっているから

忘れたくないと願っているから

 

弱いんだね、にんげんって。

 

でもね、それでもいいよ

 

ってハハはきっと言うでしょう

泣きながら遠くで見ているんでしょ

 

わたしも泣きながら

だんだん記憶が薄くなっていくことを

ゆっくりゆっくり赦して

自分を生きていくからね

 

いつか、また逢おう

その時まで、物語を続けてるよ

 

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