風の停留所

母の看取りをきっかけに意識や生と死について探究しています。内側に湧いたものを表現する練習中です。

おまけ

毎日職場で散歩をしている。

利用者さんの健康のために30分くらい近くをぐるーっと歩いて回る。

利用者さんのためと言いつつ、同行する自分の健康にもちゃっかり助かっている。

外を歩いていると、季節の変わり目とか、毎日の天候の変化が細かく感じられるから好きだ。

 

公園でブランコをにこにこしながら漕いでいる利用者さんを風の冷たさに震えながら見つめる。

 

ふと、気づく。

わたしたちは結局のところおんなじなんだと。

 

どれだけ肌の色も、性別も、年齢も、障害があったりなかったりしても、性格がやさしくても非情でも、

体を燃やしたら残るのは、みんな骨。

 

わたしたちが気にしている外見や他者との違いって、一番表面の、全体でみればとてもちっぽけな部分だ。

 

ただの生命であれば、自分のいのちを繋げる以外に何の興味があっただろう。

優しくなくたっていいし、醜さや美しさの概念も存在しないのだろう

 

 

それでもわたしたちはこころをもった。

おしゃれにこだわったり、個性をもちたがり、ひととのやりとりに一喜一憂する。

そんな複雑さとややっこしさを持っているのが私たち人間なんだと。

 

 

おまけをもらっているのだと想う。

このおまけは時に切なかったり苦しさも含んでいる。葛藤したり悔しくもなる。

このにんげんの苦々しさを、最後の瞬間まで味わっていきたい。

 

 

今日もからだを動かすことができる

感情も波のように日々変わる

生きれた、よかった

f:id:momonootayori:20210216233815j:image